脳の慢性疾患の現状

脳の慢性疾患であるてんかんは発作を引き起こすため、転倒などによる二次災害が懸念されています。
てんかんには、小児に発症するものから高齢になって発症するものまであり、重症心身障害児は、てんかんの罹患率が通常より100倍も高く、治療抵抗性のてんかんが多い上に3割から4割は月1回以上の発作を起こす難治性になると言われています。
さらに、その多くが成人期になっても発作が治まらないのです。

子どもは自分で発作の予兆を訴えることができないことが多いため、看護師は顔色や呼吸など兆候をキャッチする観察力が求められます。
脳波の検査で異常が見つかった子どもは、神経細胞の活動を抑制する抗てんかん薬の服用により発作を抑えることが可能です。
発作を抑えることができれば、やがて服薬しなくても神経細胞の活動が安定することが期待されるでしょう。
ただし、子どもの皮膚に薬疹が生じたら、直ちに服用を中止しなけれがなりません。

良性てんかんの場合、ある程度の年齢になれば発作が治まると言われますが、月に1回以上の発作が継続する場合には、外科手術を行うこともあります。
脳の病巣が特定されていれば、手術により発作を止めることは難しくはないでしょう。
たとえ発作が止まらなかったとしても、転倒回数が減ったりぼんやりする状態が少なくなったりすることがあります。
しかし、てんかん発作があってもMRIで異常が見られないケースなどでは、外科手術による効果は期待できません。